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2012/09/23

エコな繊維を紡ぐ。


前回ご紹介したエコな植物たちの繊維。今回はそれを使って毛(?)糸を作ろうと思います。
通常毛糸はウール、つまり羊の毛から作られることが多いのですが、実際には繊維であればなんだって糸にすることができます。
植物性天然繊維の綿や麻の毛糸は、風通しも良く爽やかな着心地なのでサマーニットなどにもってこいです。また、動物性ではカシミヤやシルクなどがデリケートなベビー用の細くやわらかい毛糸に使われます。
ではエコな植物繊維で毛糸を作ってみたらいったいどんな風合いのものができるのでしょうか。

さて、はじめての手紡ぎです。
今回はインゲオ(コーン)繊維を使用してみました。細くやわらかい繊維でバンブー(竹)繊維に似ています。この繊維束を買ったお店の人に聞いたところ、繊維も細くすべりやすいので初心者にはちょっと不向きだとか。でもまぁ気にしません。慣れるまでは大変でしょうが慣れてしまえば同じです。

さてさて、不慣れな手つきでスピンドルを回します。前回ご紹介したような、実に地味な作業を黙々と続けること1時間。ようやくある程度糸にすることができました。太かったり細かったり少々不格好ですがなかなか味のある仕上がり。自分的には大満足です。

さてできあがった束を丁寧に巻き直し、試しにかぎ針で編んでみました。やはり編んでみないと実際の肌触りは分かりませんからね。
結果は…普通の毛糸ではありえない、非常に滑らかでさらっとした肌触り。上品な光沢もあり、かつ太めの手紡ぎ毛糸なのであたたかみもあるという、実にちぐはぐで興味深い風合い。もしこれで何か作ったら個性的でおもしろい作品に仕上がりそうです。
何がいいかしら?帽子とか簡単そうですね。今から夢が膨らみます。

2012/09/21

エコな繊維を語ってみる。

最近世の中にはいろいろな植物系繊維が出回っています。日本でも最近竹繊維の製品がメジャーになりつつありますよね。やはり時代はエコなのでしょうか…大量生産時代に一世を風靡したポリエステルやナイロンなどの合成系化学繊維たちにはいよいよ幕が引かれるかも知れません(…といってもファーストファッション業界が存在する限り全滅とまでは追い込まれなさそうですが)。
ここではそんななか見直されているちょっとめずらしい植物系繊維たちを一覧にしてみました。

ちなみに植物系といっても天然繊維の部類に入る綿や麻とは少しくくりが違います。
もちろん原料は自然の植物なのですが、そこから化学的な技術や薬剤を用いてセルロースだけを抽出(?)しているので、再生繊維などとも言われます。身近な名前ではレーヨンとかビスコースとか、そういった類のものです。基本的につやつやすべすべしている風合いで熱に強く、吸湿、放湿性にも優れています。原料がパルプなので土にも還りやすく、ゴミ削減問題としては優秀なエコ素材ですが、原料が木なので森林破壊にも一役買ってしまっているのが現状です。

しかしそのデメリットをないことにしてしまえたのが、ここでご紹介する植物系繊維たちです。比較的新しいものもあれば、古来より伝わる伝説の繊維まで、その歴史は様々です。
これらの原料は木ではなく、成長の早い植物から採取されるセルロースなので木を伐採するほどの環境破壊を起こしません。中には通常ごみにしかならない部分を使っているものさえあります。しかもパルプ系再生繊維のいいところはすべて引き継いでいるのです。こんな素敵な繊維、是非もっとメジャーになってほしい限りですよね。
それでは、そんな繊維たちをご紹介します。

・バンブー(竹)
最近もっとも汎用化が見込まれているエコ再生繊維のひとつ。竹は2,3年で成木となるので、木々を伐採するよりも地球環境に負担をかけない。繊維が非常に柔らかく、肌触りもとてもよい。色は真っ白で上品な光沢がある。竹のもつ脱臭効果も人気の秘密。既に服地用としてさまざまな種類の生地が生産されており、肌着やベビー用品、タオル地などに活用されることが多い。オーガニックコットンと混紡で織られる場合もある。



・レイミー(カラムシ)
イラクサ科の多年草が原料。雑草なので繁殖率が高く、気候によっては年6回採取可能。6000年もの古来より人間に栽培されてきた由緒正しい再生繊維。けれども布にするまでの工程が非常にめんどくさいため、なかなか服地としては定着していない不幸な繊維でもある。他のエコ再生繊維に比べ肌触りは多少固い感じがし、柔らかい麻のような質感がある。繊維が他と比べると長め。




・ソイヤー(大豆)
日本人にはかかせない大豆の「外皮」が原料。つまり通常捨ててしまう部分を使用して繊維を作るのでゴミも減るし、かなり優秀な素材といえる。第二次世界大戦以前から知られていたが、戦後の綿の普及のすさまじさに競り負けて最近までほとんど日の目を見ることがなかった。つややかで美しいペールブロンドが魅力。繊維は細く、バンブーと肩を並べる絹のような柔らかさが特徴。




・インゲオ(コーン)
ネイチャーワークLLC社が開発したトウモロコシの茎を原料とした繊維。こちらもソイヤー同様廃棄部分の再利用も兼ねているためエコ度は高い。質感はバンブーによく似ている。インゲオ最大の特徴としては他の繊維に比べUVカット率が高いということ。日本人女性には気になるポイントではないだろうか。




~~~少々違いますが、こんなのもあります~~~
・テンセル(リヨセル)
レーヨンなどと同じパルプから作られるが、その製造工程の革新のために地球への負担を減らすことのできた繊維。1988年にイギリスで試験生産がはじめられて以来少しずつその知名度を上げている。繊維の質感はレーヨンに非常に似ている。色は白銀。非常に美しい光沢がある。





・ミルク
1930年代に生まれた画期的な繊維。なんと原料は牛乳。第二次大戦後の綿と化学合成繊維の進出によりほぼ絶滅かと思われていたが最近またニーズが高まってきている。その理由はなんといってもお肌にやさしい。原料は牛乳なので美容にもよいそうだ。繊維は絹のように細く、色は乳白色。小規模ではあるが毛糸や布地も生産されている。




このなかで少しでも興味をもたれたものがあったらグーグル検索などしてみてください。
私なんかよりもずっと詳しい説明をされている方々がたくさんいらっしゃいます。

2012/09/20

イランさんと毛糸を紡ぐ。

昨日うちにたまたまイランさんのおじさんが遊びに来ました。
イランさんというのは私が間借りしているおうちの方です。一軒家の半分くらいを私に貸してくれ、なおかつ好き勝手に創作活動を許してくださった心の広い方です。そのおじさんが、私がたまたま購入したスピンドル(非常に原始的な糸紡ぎ器。芯の長いコマのようなもの)を見かけて、つい気になってしまった模様。

イランおじさん「おお、スピンドルじゃないか!」
私「ええ、でも昨日買ったばっかりでまだ使い方よく分かってないんですよ」
イランおじさん「僕やり方よく知ってるよ」
私「おお!是非教えてください!」

そんな会話の流れで、運よく実際のスピンドル経験者に出会えました。
ちなみにイランといえば豪華なペルシャ絨毯で有名な国。イランおじさん曰く、糸紡ぎくらい誰でも知っているそうな(本当かな?)。ちなみに私の今足元に引いてあるのも手織り、手つむぎのペルシャ絨毯です。買ったら非常に高価なんだとか…

なにはともあれ興味心身でイランおじさんに新品のスピンドルを手渡します。すると…
「ああ、ここは少し削って、溝を掘ったほうがいいねぇ…ナイフあるかい?」
とさっそくカスタマイズする方向に。未経験者の私には何がどうだめなのかなんて全く分からないので、とりあえず言われるままにナイフを差しだします。

しゅりしゅり
しゃりしゃり

黙々と削ること10分程度。
どうやら棒の先端に糸が通るらせん状の溝を掘った模様。なるほど、これで紡ぎやすくなるのですか!
溝の状態を確かめたいらしく、さっそくイランおじさんが目の前で実演してくださいます。

基本的な仕組みは簡単。
コマを回す要領でスピンドルを回し、その回転を羊毛まで伝わらせてよじれさせ、毛糸にします。
本当にそれだけですが、力加減や引っ張る強さ、回転量などが慣れてこないと、毛糸はまったく均一な太さになりません。
まぁそれがよいというのであれば全く問題ないのですが。
ちなみに私は太かったり細かったりしたほうがハンドメイドな味がするので好きです。
参考までにスピンドルのやり方を図で表してみました。
写真でもよかったのですが、単純な図のほうが逆に分かりやすいかと思いまして。
ちなみに自分もまだ初心者…というか昨日イランおじさんから教わったばかりなのでプロフェッショナルなことはまったく言えません。Youtubeなどで検索すればもっと詳しいやり方が載っていると思われますので、本気の方はそちらもあわせてお願いします。

今一生懸命紡いでます。
イランおじさんは「熟練したイラン女性なら1時間で1000mつむげるよ」
と言っていましたが私は1時間で数メートルも紡げません。

でも一番大切なのは、自分で何とかしてみようって思うこと。
へたくそだっていいじゃない、そこに愛があるなら。